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2017.11.28

いまさら聞けない!配偶者の意味と配偶者控除改正についてのイロハ

いまさら聞けない!配偶者の意味と配偶者控除改正についてのイロハ

いまさら聞けない!配偶者の意味と配偶者控除改正についてのイロハ

 平成29年(2017年)度の税制改正により「配偶者控除」と「配偶者特別控除」についても見直しが行われた。控除額等が改正され、これは平成30年(2018年)分以後の所得税について適用される。

 だがこの配偶者控除、配偶者特別控除について、おぼろげにしか理解していない方も多いのではないか。今回はそもそも「配偶者」とは何か、解説したい。

■配偶者とは「結婚相手」

 辞書によれば「配偶者」というのは、一方から見た結婚相手のこと。つまり、「妻から見た夫」であり「夫から見た妻」が「配偶者」となる。履歴書などの書類に「配偶者の有無」を記載する欄があるが、これは記載者が男性であれば「妻がいるかどうか」という質問であり、また記載者が女性であれば「夫がいるかどうか」という質問なのである。

 初めてバイトをするために履歴書を書く高校生などが、ここで悩みがちだが、独身の場合は「配偶者の有無」については「無」にマルをつけるのが正解だ。ちなみに履歴書にはさらに踏み込んで「配偶者の扶養義務」、「扶養家族の人数」などという記載項目があることもある。扶養家族とは、配偶者とは別に、生活の面倒を見ている相手のこと。高校生で同棲も結婚もしていなければ「扶養義務」欄は無記入で。「扶養家族の人数」は「0」と記入しよう。

■では「配偶者控除」とは?

「配偶者控除」とは、妻か夫がいる場合に納める税金を減らすことのできる控除のことである。また、この控除には「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の2種類がある。それぞれどう違うのだろうか?

●「配偶者控除」は給与年収103万以下

 まず現行の「配偶者控除」について解説したい。これは生計を一にしている夫婦どちらかの給与収入が103万円以下、もしくは総所得金額が38万円以下である場合、もう一方の所得から38万円が控除され、そのぶん納税額が低くなるというものだ。巷でよく聞かれる「103万円の壁」はここからきている。所得が給与の場合は、給与所得控除額(経費に相当するもの)が最低でも65万円あるので、38万円に65万円を足した103万円がボーダーラインとなる。

 たとえば、正社員の夫、パート勤務の妻の夫婦にこれを当てはめてみると、妻は自分自身が所得税を支払わなくてよいことになり、夫は配偶者控除が受けられるため年末調整や確定申告の際、控除額が上がり、納税額が下がる。

●「配偶者特別控除」は給与年収141万未満

「配偶者控除」のライン「103万円の壁」を超えてしまっても、段階的に控除をしていきましょう、という制度がある。これが「配偶者特別控除」だ。先ほどの夫婦の例でいえば、妻の年間の給与収入が103万円を超えて141万円未満の場合、この控除の対象となる。合計年間所得で見れば76万円未満。141万円からさきほどの給与所得控除額の65万円を引けばこの76万円になる。

 ただし、こちらには申告するもう片方の夫婦……先ほどの例でいえば夫の、その年における合計所得金額が1000万円以下の場合に限られる。

■2018年からはこの控除額が変わる!

 これまで「配偶者控除」および「配偶者特別控除」について解説してきたが、このルールは2018年から変わる。まず「配偶者控除」については、103万円のラインが150万円に引き上げられるのだ。だが喜んではいけない。ここに、これまで考慮されていなかった、世帯主の年間合計所得に関する要件が加わり、段階的に控除額が変わるようになった。再び先ほどの例で言えば、夫の年間の合計所得金額が900万円(給与収入のみの場合は1120万円)以下の場合は、控除額が従来と同様の38万円だが、所得が1000万円(給与収入のみの場合は1220万円)以下の場合は13万円の控除になり、さらにそれ以上の所得があると、控除はなくなる。

■配偶者特別控除はもっと複雑に

「配偶者特別控除」はもう少しややこしくなる。2018年からは年間所得123万円以下に適用されるので、給与所得約201万円までの人が控除の対象となる。「配偶者控除」と同じように、ボーダーラインがこれまでよりも上がることになった。だが「配偶者控除」の変化と同様、世帯主の年間合計所得に関する要件が加わったので、段階的に控除額が変わる。「配偶者控除」と異なるのは、配偶者の年間合計所得によっても段階的に変わるというところだ。

 パート勤務の妻と正社員の夫の場合、夫の年間合計所得金額が900万円(給与収入のみの場合は1120万円)以下で、妻の給与収入150万円以下ならば「配偶者控除」と同額の38万円の控除がある。そして妻の年収が201万円になるまでは、段階的に引き下げられつつも控除はある。この控除額は妻と夫の年収の両方で決まるようになったので、注意しよう。控除が受けられるギリギリのラインは、夫の年収1220万円以下、妻の年収約201万円までだ。

■税金とは別に、公的年金や健康保険ではまた話が違う

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」、そして来年から変わるその控除額。初めて知る人には複雑すぎるかもしれない。だが、こうした税法上の「配偶者」の話とは別に、公的年金や健康保険といった社会保険の話については、また別の「配偶者」の年収ラインがあるのだ。

 例えば国民年金で配偶者が扶養範囲にあると認められるのは「年収130万円未満」で働いている場合。年金保険料の自己負担がない、いわゆる「第3号被保険者」に該当するのは、第2号被保険者(会社員や公務員など)に扶養されている配偶者であり、この条件が「年収130万円未満」と定められている。またこの場合の「扶養されている」とは、第2号被保険者の年収の半分未満の年収である状態。例えば妻の年収が130万円未満であっても、夫の年収がその2倍より少なければ、扶養されているということにはならない。

 またこの社会保障における「130万円の壁」も、2016年10月以降に変化が起こった。下記の条件を満たす一部のパート従業員が、健康保険や年金保険料を自分で納めなければならなくなったのだ。

  • 1:週20時間以上働く
  • 2:賃金が月額88,000円以上(年収106万円以上)
  • 3:1年以上勤務する見通しである
  • 4:501人以上の従業員がいる企業で働いている
  • 5:学生ではない

 社会保障における「130万円の壁」が「106万円の壁」となった。

■まとめ

 そもそも配偶者控除の話はややこしいのに、ここ近年の法改正などで、大きくそのルールが変わってきたため、さらにややこしくなっている。だが、正社員の夫、パートの妻という場合で、かつ、これらの「壁」を意識しながら働いていた世帯にとっては大ごとである。まず税金面では夫婦の所得をチェックしてみて損はないだろう。新たに控除を受けられることになる人も増えるはずだ。(文・山本山子)

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